――『特殊解体工事』は工夫と経験が必要
特殊解体はなかなか一般的に出てこない施工ですが、例えばピザ窯とかですね。窯とかも結構しっかりした造りになっているから、ただ壊せばいいっていうもんでもないんで壊し方もやっぱりちょっとあるんです。そういうものだとか、あとは金庫とかですね。なかなか壊れないやつをただバールで壊すとかじゃなくて、ガスバーナーで切断したりとかちょっと変わったっていうかそういう解体もありますね。でもあんまり別にそんなに出番ないです。
――解体の世界にも『工夫と技術革新がある』
ビール工場の工場にあるサイロってわかります?大きいやつです。あれの解体をやった時があるんですけど、あれは面白かったです。上から1枚1枚ガスで切っていくのですがあれは結構大変でした。足場組んで上から少しずつ切りながら降ろしてきて解体しました。
でもああいうのも多分機械でできるだろうなとも思います。もうやってるのかな?やってる人とかいるだろうな。リンゴの皮を剥くみたいな感じでやれる機械とかあれば多分1日で終わっちゃうんだろうと思います。外周回りながらグーって回りながら切り離しさえだけしたら、もうリンゴの皮剥くみたいなイメージでやれそうだなとか思いました。
――解体は『効率とゴミ分別など環境配慮』も大事
そういうのもだから解体ってちょっと考えて、もっとこういうふうにしていったらいいんじゃないかとか、ああしたらいいんじゃないかって考えてやっていかないとただ壊すっていうのは壊し屋さんみたくなっちゃってくけど、ちゃんと解体屋としてただ壊すだけじゃなくて、次のことも考えながらどうやったらもっと効率良くできるかなとか、能率がいいかなとかってやっていかないとちょっと技術的には上がってこないと思います。
ゴミ分別もそうだし、分別しないで壊すってそういう人もいるのかもしれないけどゴミ代も高くなります。リサイクル率も悪くなるから、どうせなら良くしていったほうがいいですね。
――『解体方法を探求すること』が楽しい
結構壊す以外にやることはありますよ。どんな仕事でもあるでしょう。目に見えてわかりやすかったりする時ありますからね。だから考えてないでただやっている人っていうのは多分仕事が面白くないですよね。どんな仕事でもそうなんでしょうが、言われたことだけやってますみたいな人は、どんな仕事しても面白くないでしょう。でもちょっとやる気があって、これどうやって壊せるのかなみたいな考えられる人は多分楽しくなりますよね。
どうやったらいいんだろうなみたいなと思って、ネットでこれってどうやってそもそも造ってるんだとか調べたりしています。そうするとこうやって造ってるんだったら、このへん叩いたら壊れていくかなとかそういうのを考えたりしますね。
――『造り方から壊し方のヒントを』見つけることも
造り方から壊し方のヒントを見つけることは全然あります。普通にあります。だから造り手さんの気持ちも考えるとこういう風に壊していってあげたほうが次使いやすいだろうなとかっていうのもやっぱりあります。
これ壊してくれって言われたのに、これ全部再利用するからきれいに壊してくれとかそういうのもあります。そうすると傷つけないように壊すにはどうしたらいいとか結構考える、そういうのは多分「特殊解体」になるのかなと思いますね。ただバール振り回してりゃいいっていうのじゃないから難しいですけどね。正直凄く疲れます。だからそんな解体がうちにお仕事きても困っちゃいますよ(笑)。でも基本は来たものは何とかするスタンスです。